リスク検査に関して
こんにちは。
雨の日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
当院では感染対策を行いながら、診療を行っております。
今回は、リスク検査に関してご紹介します。
まず初めに、2020年4月より当院で治療(虫歯、歯周病)を受けられる全患者さんにリスク検査を受けていただく事になりました。
理由としましては、
① 過大過少治療を防ぐ
② 患者さん1人1人のリスクを明確にし、治療計画を立てる
特に下記のような患者さんには受けていただきたいです
・気をつけて磨いているのに、むし歯が出来てしまう方
・自分がむし歯で苦労しているので、子どももそうなるのでは…と心配されている方
検査で分かること
① 虫歯リスク
② 歯周病リスク
③ 菌の数
④ 唾液の能力
何が原因で虫歯や歯周病になりやすいのかを科学的に判定でき、効果的な予防法が明確になります。
むし歯のリスクを知る唾液検査
① ミュータンス菌の数を調べる
味のないガムを1分間噛みます。
検査棒を舌の上に数回あて、菌を採取します。
ミュータンス菌が多い人は虫歯になりやすい人です。ミュータンス菌は虫歯菌を代表する菌で糖を餌にして、歯を溶かす酸を出します。口の中には多くの細菌がいてミュータンス菌の比率や数が多い方は、口の中が酸性になりやすく、むし歯ができやすい人です。
② ラクトバチラス菌の数を調べる
検査棒を舌の上に数回あて菌を採取します。(①の時に一緒に行います)
ラクトバチラス菌はヨーグルトなどに含まれる菌と同じ仲間で、詰め物や被せ物が多い方にいる虫歯菌です。金属やプラスチックなど劣化しやすい材料の隙間に住んでいて、虫歯を悪化させてしまいます。
③ 唾液の量を測る
味のないガムを5分間噛みます。
ガムを噛んでいる間に出る唾液を専用カップに移し、唾液の量を測定します。
唾液には溶けた歯を治す力があります。
歯は食事のたびに溶ける脱灰(だっかい)と元に戻す再石灰化(さいせっかいか)が行われています。再石灰化は唾液の中のカルシウムやリン酸によって起こります。唾液の量が少ない方はむし歯ができやすいことがわかります。
④ プラーク(歯垢)の量を調べる
プラークは細菌の塊です。口の中にいる細菌が多ければ多いほど、酸性度が高くなり、歯が溶けます。食後、増えた細菌が酸を出す前にプラークを取り除き、歯の脱灰を防ぎます。
⑤ 食事の頻度を確認する
3日間分のお食事アンケートを記入していただきます。(事前に用紙をお渡しいたします)
むし歯は脱灰と再石灰化のバランスが崩れることによってできます。食事の頻度が多い方や間食、糖分の入った飲み物をダラダラと飲み続けるなど、歯が脱灰する時間が長い方は、再石灰化する時間が短くなります。
歯周病のリスクを知る歯周病検査
① 歯周病の進行を確認するための歯周ポケットの検査
歯周ポケット検査は歯周ポケットの深さ、歯ぐきからの出血、歯の揺れの有無を調べていきます。
4mm以上のポケットになるとご自身ではポケット内の細菌を取ることができず、歯周病が進行しやすくなります。
歯周ポケットの出血:出血があると、歯肉炎や歯周病が進行形であることを示します。
歯の揺れ:歯の周りの骨が溶けてくると歯が揺れてきます。
② 歯ぐきの腫れを確認するためのお口の中の写真
お口の中の写真を撮って歯ぐきの腫れの状態を確認していきます。
③ 歯槽骨の吸収状態を確認するためのレントゲン撮影
小さなレントゲン写真を部位ごとに撮り、全部で12枚撮影します。
歯を支えている骨の高さは歯ぐきがあるので見た目では確認できないため、レントゲンを撮って骨の高さを見ていきます。また虫歯の大きさ・深さ、見た目ではわかりにくい歯と歯の隙間にできた虫歯などを確認します。
検査前の注意点
より正確に検査を行う為に、検査日当日ご注意いただきたい点がございます。
① 来院直前の激しい運動
② 検査1時間以内の飲食・喫煙・歯磨き
③ 検査前5~6時間以内に殺菌効果のある歯磨剤や洗口液の使用
上記を避けていただいております。
検査後
リスク検査後10日~2週間で結果が出てきます。
「お口の健康手帳」をお渡しし、担当衛生士より結果に関して詳しくご説明いたします。
その後、治療が必要な場合は治療をしていきます。
お読みいただき、ありがとうございました!